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エンパワーメント・ラボ  デルフィス
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◎小此木啓吾先生

フロイト・精神分析学の治療、研究、教育における代表的な精神科医のお一人でいらっしゃいます。
青年心理学・性格心理学・社会心理学・家族心理学などに一通り触れて、臨床心理学を学び始めて後、大学院でご縁をいただきお世話になりました。

今でも思い出しますのは、とにかくパワフルでいつも早歩きで移動されていたことと、どんなに多忙でも常に笑顔で、精神分析に関することに対してはどんな小さなトピックでも情熱をこめてお話になられるお姿です。
大学での講義や個人スーパーバイザーのお仕事以外に、都内で学生や臨床家のための様々なセミナーが平日の夜間に毎週、隔週のペースで土日にも行われており、そのほとんどで講義や司会をなさっておられました。

心理療法セミナー、精神分析セミナー、精神分析研究セミナーと、より専門的になるにつれて講義の内容も深く複雑になりますが、フロイトが残した知の遺産に対する情熱がほとばしるようなご講義で、学生であってもその世界を味わうことが可能になるようなお話をしてくださいました。フロイトは100年も前の人物で、精神分析学の成り立ちにはその頃の西洋文化が影響している部分もありますが、その叡智が現代の日本に引き継がれていくプロセスを近くで拝見できたことは、大変貴重な経験となりました。

フロイトが創始した精神分析理論は後継の臨床家によって実践・研究が受け継がれ、神経症治療だけではなく、様々な心や人格の問題、病、乳幼児と母性に関する理解と治療法等も編み出されました。それらは少しずつ日本にも翻訳され臨床現場で活かされることが可能になりました。
代表的なものに、マーラーの分離ー個体化、マスターソンの境界性パーソナリティ、コフートの自己愛性パーソナリティ、カーンバーグのパーソナリティ構造の機能水準等があります。フロイトの弟子たちの研究を、日本では小此木先生の弟子の方々が翻訳・実践・研究をなさり、事例検討会や研究会が重ねられていきました。

学生の頃の私は、理論を学ぶことだけでも難関である上に、自分も心をもった一人の人間として実践していかねばならないというこの分野の特殊さ、大変さに向き合うことになりましたが、自分自身を含めて“心を深く知り、治す”という作業の奥深さに魅了されました。
個人的なオリエンテーションとしてユング派の分析体験を受けていたことも影響し、自分自身の親和性やセラピーのスタイルとしても精神分析の技法を100%継承することにはなりませんでしたが、心や人格の病について把握するという点においては非常に役立つ視点を得られたと思っています。

虐待をしてしまう親に境界例水準の人が多いという話の時に、その治療にはそうとうな時間がかかるということを知り、まだ学生だった私は無念さを感じてしまったことがあるのですが、先生が「でもね、そういう親御さんも、その人なりにはがんばっている面もあるんだよね。」とさらっとおっしゃった言葉で気持ちが軽くなったのを覚えています。限りなく暗澹たる状況においても、希望や可能性に目を向けること、治療者・研究者としてのバランス感覚等、大切なことを学ばせていただきました。

深層心理学的心理療法は、潜在意識と顕在意識の関係性を深く見つめて心の在り方を把握し、あくまでもお一人お一人の内面世界を尊重するセラピーの技法です※。
相談者とセラピストとの間で起こる感情や言葉のやりとり(転移・逆転移)についてもセラピストは意識的であることが求められます。この部分に誠実に対処することにより、セラピストが主観的な価値観を述べたり、安易に答えやアドバイスを与えたりすることを避け、相談者がセラピストに依存しすぎないように調整するなどして適切な距離を保つことで、相談者の内面世界の理解と変容に貢献することが可能となります。

フロイトの創始した精神分析療法では、患者は寝椅子に横になります。治療者と患者が視線を合わすことはなく、患者が連想して語る内容(象徴)を言語化していくスタイルで、フロイトはこのことを“治療者の隠れ身”と呼びました。
精神分析的心理療法では対面式で行うため視線は合いますが、治療者が答えを与えていくのではなく、あくまでも相談者の意識・無意識を映し出す“鏡”となることに変わりはありません。


◎河合隼雄先生

日本人として初めてスイスのユング派研究所にてユング派分析家の資格をお取りになり、また箱庭療法を日本に初めて紹介なさった先生です(もと高校教師、臨床心理学者)。
アメリカでロールシャッハテストやネイティヴ・アメリカンについての研究を行い、その後スイスへ行かれました。

私が臨床心理学を最初に教わったのがユング派分析家の資格を持つ田中信市先生だったことも大きく影響し、河合先生の著書を読むようになり、心理療法の技術や感性について学び、感銘を受けました。
講演会でのお話は、日本ウソツキクラブ会長ならではのユーモアセンスを交えながらも、感動的でありつつ同時に考えさせられる内容ばかりでした。
個人的に、医療機関に勤務していた頃には箱庭療法も取り入れ、また2000年以降はスクールカウンセラーとして教育現場での勤務を経験していろいろと迷ったり力不足を感じて葛藤を抱えたこともあって、日本心理臨床学会や日本臨床心理士会の代表を務めていらっしゃった先生の講演には可能な限り足を運びました。

箱庭療法で使う木の箱には「枠」があります。この「枠」は、大変重要な意味を持ちます(セラピーでは、時間と場所を区切るという意味そのものが「枠」です)。
本来、どこまでも果てしなく広がっている人の心、無意識は、困難にある時、この「枠」が在ることによって安心してその内側を表現することが可能になると考えられます。
「枠」と、先入観なく見守るセラピストの存在により、イメージや連想が広がり、表現される中で感情や体験の再現や開放等が起こってきます。心、魂そのものが自ら癒しを行っていくようです。
ですが、セラピストの存在は、ただ「受容する」ためだけに存在しているのではありません。
万が一、あふれだした無意識のエネルギーが「枠」を壊してしまいそうな時、枠の外側と内側で心が揺れすぎて危険な時等には、しっかりと対峙し、必要であれば適切な介入を行うことが重要です。この“対峙する”部分において、セラピストとしてどのような言動をとるべきか、そういう部分で特に河合先生のお話から多くのことを学ばせていただきました。

~ユング派研究所でのエピソード(CREOインタビューより抜粋)~
■河合 研究所にヤコービーという先生がいた。物事を割り切ってぱっぱっと教える人で、とても人気があった。ぼくは割り切るのは嫌いなほうだから、あまり評価しなかった。
 だからヤコービーの試験は調べんでも、3時間ほどまえに研究所へ行って、講義のノートを見直していたらいいやと思っていた。ところが、ノートを忘れてしまった。これはあかんわと思いましたね。
 ユング派の研究で、いちばん大事な象徴のひとつは、自己(セルフ)ですが、試験で「セルフの象徴とはどういうことなのか」という問題が出た。これはユング派では一応答えがあるわけです。曼荼羅とか、宝石とか、セルフの象徴としてよく出てくるものは習っている。ヤコービーは、むしろ同情的にわかりやすいことを聞いてくれたんです。そこで、ぼくは言ったんです。
 「セルフの象徴はすべてのものである」
 そうしたらヤコービーがカッとなって、
 「そんなことを言うんだったら、この机もセルフか」
 それに対して、
 「いやいや、この椅子もそうです」 と言ったんで、ものすごい喧嘩になってしまった。
 そういう調子で、ぼくはヤコービーに反発していたから、しょっちゅう喧嘩になるんですよ。
 口頭試問には、試験官が3人いたんです。もうひとりは、ぼくの分析家で、フレーという人です。フレーはぼくの味方だから、なんとかしてぼくを通そうとしてくれるわけですよ。
 試問が終わったあと、フレーが試験官3人の話を伝えてくれた。
 「ヤコービーは、河合はほとんど知識をもっていない、と言っている」と。
 いちばん基本的なことにむちゃくちゃ言うとるわけですからね。
 「でも、日本からはるばる来て勉強している。知識はないけど、気持ちではいいものをもっているから、この際通してやることにする」と。
 ぼくはそういう言い方は全然話にならんと思った。
 「知識がないんじゃなくて、考え方が違うんだから、情けで通すなら、いらん」と言った。
 ユング派の分析家という飾り物はいらないから、代わりに河合隼雄という名前をもって帰るからいい、と言ったんです。それをヤコービーが聞いて、またカーッと怒りました。最終決定の委員会では、ほかの試験は全部通っているけど、ヤコービーだけが怒っているから、落とすと言いだした。
 そうしたら、もうひとりの人がヤコービーに聞いたんです。
 「あなたはどんな質問をしたのか」
 「セルフの象徴とは何かということを聞いた」と言ったから、「そんなバカな質問をしたら河合が怒るはずや」と、試問委員の間で六時間の大激論になった。それで通ることになったんです。
 そして免状をもらうとき、所長はこんな挨拶をしてくれた。
 「われわれは、あなたが入ってきてからずっと見ていた。なんでもスイスイやってYes, Yesと言うてるから、これはYesmanではないかと心配していた。だけど最後に研究所が潰れるほどの大きいNoを言ったから、これは免状を与えるに値すると思って、授与することにした」
 でもヤコービーも、私の人生に大きな役割を果たしてくれた恩人だと思っています。
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私がユング派の考え方に非常に共鳴する所以となっているエピソードの1つです。
心理臨床では“答えはその人の中にある”という視点を大切にします。自分の真実を大切にできる者が、他者の真実を尊重し信じることができます。
セラピストが優れているかどうかは、知識やYESの多さではなく、大切なときにはどれほど強く対峙できるか、だと思います(それは自分自身や相手に対してコミットしようとする意志の強さ、誠実さのあらわれだと思うからです)。










セラピーの技法について

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精神分析的心理療法の学びでは精神科医よりスーパービジョンを、分析心理学的心理療法の学びではユング派分析家より教育分析を受け、特にこの2つの比較検討・統合等について研鑽を重ねてまいりました。他にも来談者中心療法(ロジャーズ)、論理療法(エリス)等についても興味を持ち学びました。先入観なく傾聴するという点はどの技法でも共通しています。解釈や技法に違いはあっても、お会いする方はお一人お一人異なる、世界で唯一無二の存在でいらっしゃいます。それぞれのお悩みの内容や個性を大切にし、適切と思われる方法で対話を行うよう心がけております。

セッションの大まかな流れ

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初回では、はじめにお申込み用紙の項目にご記入いただき、簡単なご説明をいたします(事務的な手続きを含みます)。ご質問があればこの時におうかがいし、その後セッションに入ります。セッションの終わりの方で、まとめや見立て、また必要があればセラピーでお手伝いできることとできないこと等についてご説明をいたします。継続をご希望の場合は次回の日時についても話し合います。

セッションの継続について

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セッションの継続、回数について決まり等は特にございません。大まかに、①セラピストとの信頼関係を築いたり、ご相談内容の整理をしたりする初期、②テーマをいくつかに集約してじっくりと向き合う中間期、③終わりに向かう終結期といった目安をご用意しており、お伝えする場合もございますが、ご希望をおうかがいしながら話し合って決めていきます。

時間・料金

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初回  60分~90分 \7,000
2回目以降  60分 \7.000
3回セット割引    \20,000
(対面・スカイプ共通)

メール相談
3往復      \5,000
(1回3,000~4,000文字程度)

3つの目的別コース

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「最高の子育て」「ACにさよなら」「自分にOKを」の3つのコース(テーマ別セッション)がございます。※それぞれは相互に関連している部分もあります。※他のメニューと組み合わせてもご利用いただけます→詳しくはこちらをご覧ください

スカイプセッション

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パソコンまたはスマートフォンなどでスカイプ機能を使用して行うセッションです。
遠方にいらっしゃる方、お時間を有効にお使いになりたい方にご利用いただいております。※インターネット接続・スカイプ機能のセッティングはご予約日時までにご準備下さい。

セッションのご予約について

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メールアドレスよりお申込み下さい。折り返し確認のご連絡をいたします。

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小此木先生の本

河合先生の本

目的別3つのコース

人生そのものが、終わりのない学びの場です。自分を愛し、他者を愛し、豊かな人間関係を体験するためにご用意したコースです。人間関係全般に関心がある方から機能不全家族における影響に本気で取り組みたい方まで、必要に応じて対応いたします。

最高の子育て

HWB06100045.jpg宇宙で唯一無二の出会いであるご家族。マニュアルに頼らない、お互いの個性を大切にした育児を実現させたい方へ

ACにさよなら

Fotolia_glassblueviolet.jpg優しく忍耐強い人が陥りやすいアダルトチルドレン傾向。人の思惑を優先しすぎずに建設的な人間関係を育みたい方へ

自分にOKを

385625_415815391800782_366528002_n.jpgネガティヴな思い込みは抱え続けることも、捨てることもできます。ご自分を認め、愛することが難しいとお思いの方へ

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